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和名 マイマイガ
別名 ブランコケムシ
中国名 舞毒蛾
科名 ドクガ科
学名 Lymantria dispar
出現期 年 1 回 7〜8 月
食草 各種広葉樹林の葉
採集地 東京都江戸川区


 
 珍獣様は住み慣れた葛飾をはなれ、はるかお隣の江戸川区まで(近いじゃん)お引っ越しいたしたのですが、やっぱりどこにでも虫はいるようでございます。今宵は掲示板のログより、マイマイガの幼虫をお楽しみくださいませ。
 
 
[26] 今日の毛虫 投稿者:ちんじゅう 投稿日:2000/06/17(Sat) 01:58:55
  毛虫 ナナカマドの木の幹でじーっとしてるところを撮影いたしたのですが、何を食べる虫かはわかりません。近くにクロガネモチ、スダジイ、サクラの木がありました。長さは5cmくらいで、吸盤状のすごく立派な腹脚がついてました。
 写真じゃ色がよくわかんないですが、前から5対のイボが暗い青で、残りのイボはえんじ色でした。ちょうどニャッキみたいに丸くて大きな頭をしてます。
 なんの毛虫でしょうね。

    Re: 今日の毛虫 投稿者:きむら いずみ - 2000/06/17(Sat) 07:45:54
むう、こやつこそがマイマイガなりよ

    そうであったか! 投稿者:みーの - 2000/06/17(Sat) 23:16:57 <HOME>
通勤途中にでっかいのがいるんです。道路の端に植わっている木に。
どんなガになるんだろうって思ってましたよ。
きむらさんまいどありがとねー。ちんじゅうさま、よくぞのせてくれました。

ポチポチの色がちょっとわかる写真ありました。ニャッキみたいな頭は見えないけど。
http://www.ne.jp/asahi/miino/inoue/plants/mushi/maimaiga.jpg
さてネット検索でマイマイガのガ見てきます。


    Re: 今日の毛虫 投稿者:ちんじゅう - 2000/06/17(Sat) 23:47:21
おおっ、これがマイマイガなのですかっ。
そういえば、やたらでっかくて立派な毛虫でしたわ。

珍獣が見たのはみーのさんちの写真ほど毛が赤くなかったけど、
イボイボの色は、ちょうどそんな感じでした。
顔は真上から見ちゃうと長い毛が邪魔して見えないんですよ。
写真に写らないかと思ったんですが、うまくピントが合わなくてダメでした〜。

なんとかマイマイの仲間っていうと、
マイマイガのほかにカシワマイマイってのも耳にするけど、
幼虫のうちに見分ける方法ってあるのでしょうか?

 
 
 とにかく、おもいっきり毛虫ですっ。長さはせいぜい5〜6cmほどなのですが、ふさふさの毛も含めて、見た目がかなり太く立派です。顔は大きな丸形で、八の字の紋様があります。
 右の絵は、うまく写真にとれなかったので記憶をたよりに描いてみました。文明の利器に頼らず、その場でスケッチせねばだめですね。
顔
こんな顔
 
 
 上の写真の幼虫は、もうだいぶ大きくなってますが、若齢のころには糸をはいて、木の上からぶら下がってくるので、ブランコケムシなどと呼ばれているようです。顔がニャッキで、性質はケムンパス??

 掲示板のログにあるカシワマイマイというのも、たまに大発生する荒ぶる毛虫なのですが、こちらは下の絵のように頭とお尻に房毛があるので見分けがつきそう。
 

カシワマイマイ カシワマイマイの幼虫
(ほんもの見たことないんだってばっ)
 

注:
その後、あまり状態のよくないカシワ君に出会った。
左の絵にリンクを仕込んだので見たい人はクリック。

 他に、ハラアカマイマイというのもすごいらしいんですが、こやつは主にモミの木につくので、食べてるものでわかりそうな感じ。

 なお、マイマイガの仲間はドクガ科で、指にささる針を持ってますが、毒はないと、その筋の本に書いてあります。でも、珍獣はさわったことないのでわかりません、むふふ。

 
 
 ところで、マイマイガといえばこんな書き込みもございました。読者の方からのメールで、「サクラの木のコブのような大きな幼虫がいるけど、なんでしょう」という質問に答えたものです。
 
 
[460] Re:459/質問の虫の件   投稿者:きむら いずみ投稿日:2000年05月11日 (木) 01時32分  
後者は間違いなくマイマイガ♀の幼虫です。
桜の幹に同化する色彩を持った大型の幼虫はこれしかありません。
灰色ベースに背中は若干暗い色、左右対になって
赤黒い星が縦に並んでいるのが特徴です。

 
[461] マイマイガ?!   投稿者:ちんじゅう投稿日:2000年05月11日 (木) 02時32分  
マイマイガの幼虫?!
ぬおお、うちの図鑑にも写真出てたけど、
うーん、この写真の毛虫は木のコブっぽくない〜。
でも、オスとメスとで色が違うの?!
がーん、毛虫の時代からオスメスの見分けがつくのがいるとわっ、
珍獣もまだまだ修行が足りないと実感する今日この頃ですわ。

 
[462] もしかして卵塊?!   投稿者:ちんじゅう投稿日:2000年05月11日 (木) 02時43分  
ここにマイマイガの写真が!
http://www.ffpri-hkd.affrc.go.jp/entomo/Zukan/HTML/Lepi_Dokuga.htm 

ううむ、うちの図鑑に載ってた幼虫写真は若齢のものらしいんだけど、
このサイトにある終齢幼虫の写真を見ても、やっぱり立派な毛虫に見える〜(木のコブっぽくはないという意味)。
むしろ、珍獣的には卵塊にひかれるものが!
これなら木にしっかりしがみついててコブみたいかも。
(……でも、思いっきり卵塊よねえ。幼虫には見えないかも??)


 
[463] マイマイガ補足と保護色   投稿者:きむら いずみ投稿日:2000年05月11日 (木) 09時29分  
卵塊は卵を産み付けた後、メスが腹部の毛を
擦り付ける事であのような形を形成します。
雨や強い風が吹いても毛が飛ぶ事は殆どありませんが
木の枝などでひっかいたりすると驚くほど大量の綿毛となります。

幼虫、オスはもっと小さいうちに蛹になるので、10センチ
クラスともなれば間違いなくメスなのですよ。
そして実際見てみると分かりますが、桜やケヤキなどに
じっとしている終齢のデカい幼虫は一見、樹皮の一部や
瘤にしか見えません。側縁部に密生する毛が輪郭線を消し
足場の樹皮と色彩的に同化します。樹皮の模様に酷似した
紋様を持つ蛾の成虫が樹皮に羽の外縁を密着させて止まるのも
同じ効果に基づくものです。

 
 
 結局、読者の方から質問のあった芋虫はマイマイガではなかったのですが、それはまた、別の機会にでも。
 

ビッグニュース
 2003年7月、珍獣様は新しい瞳を手に入れた。さらに美しく華麗な毛虫を見たいなら、次のページを見るがいい!

 

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