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和名 オオカマキリ(大蟷螂)
別名 拝み虫(カマキリ全般の別名)
中国名 大蟷螂 大刀螂
科名 カマキリ科
学名 Tenodera aridifolia
出現期 夏〜
食性 昆虫をとらえて食べる
採集地 東京都江戸川区、東京都葛飾区


 
アタイになんか用?
2003年7月17日撮影

 葛西臨海公園は海辺にある大きな公園だ。野鳥の保護区があるので昆虫もたくさんいる。ある日に保護区のまわりを散歩していたら、道ばたの茂みで挑戦的なポーズを決めている茶色いカマキリに出会った。

カマの内側
2003年7月17日撮影

 カマの内側を見ると、ぼんやりとした黒いブチがある。これを見て、最初はコカマキリだと思った。コカマキリならもっとブチがハッキリしているハズだけど、写真の子は翅の生えていない幼体だったから、成長すると濃くなるんじゃないかと思ったわけ。

アタシだって尻くらい上げられるわよ
2003年7月17日撮影

 でも、図鑑で調べたらコカマキリは大人でも 65mm くらいなんだって。散歩にはものさしを持って行かないけど、手にのせたところを写真にとっておいたから、だいたいの大きさははわかる。写真の子は体長が 80mm くらい。コカマキリにしては大きすぎるね。

 それにしても、この子お尻まで上げちゃって、ほんとに挑発的だよね。でも、尻上げポーズはハラビロカマキリのほうがスゴイかな。ハラビロさんはお尻を上げすぎて二つ折りになってしまうもんね。

なんか文句あるわけ?
2003年7月17日撮影

 コカマキリではないとしたら、何カマキリなんだろう。
 図鑑を読んだり、昆虫の偉いヒトたちが作ったサイトをあちこち回って勉強したら、カマの付け根のところの色で見分けるって書いてあった。

 上の写真を見ると、両腕の付け根のところが黄色っぽく見えるよね。この色が淡いとオオカマキリで、オレンジに近い濃い黄色だとチョウセンカマキリなんだって。この子はどっちかな??

アタシきれい?
2003年7月17日撮影

 こんな見返りポーズもカマキリらしくていいよね。チョコレート色のボディーがたまらなく色っぽいなあ。

 翅の生えた大人のカマキリだったら、後翅の色を見るとはっきり見分けられるんだって。オオカマキリだったら後翅は紫褐色をしているそうだ。写真の子は子供なので翅がない。この方法じゃ見分けがつかないね。

カマキリだぞー
2003年7月17日撮影

 顔の前で指をひらひらさせたら、こーんな顔して威嚇してきた。これカマキリ君、キミは「蟷螂の斧」という諺を知っている?キミがいくら脅かしても、そんな斧じゃちっとも恐くないぞ。

 で、この子は何カマキリなのかな。
 あちこちで写真をさがしてみたけれど、体が緑色をしている個体の写真ばかりで、褐色型の腕の付け根の色がどんなだかよくわからなかった。でも、体つきがずいぶんがっしりしているし、やっぱりオオカマキリ(T. aridifolia)じゃないかって気がする。

 ところが、トンボ出版『昆虫ハンタ−カマキリのすべてicon』という本に、このページの写真ととてもよく似た色のものがチョウセンカマキリ(T. angustipennis)として出てくるので、だんだんわからなくなってきた。つかまえてきて飼えばよかったかなあ。

成虫もつかまえた
オオカマキリの成虫
2008年9月2日撮影

 チョコレート色の幼虫を激写してから早五年! もちろんその間にもカマキリとの遭遇は何度もあったんだけど、要するにサイトの更新をさぼっていたわけ。これは葛飾区でみつけたオオカマキリの成虫です。体長は95mmくらいかな。やたらと走り回る元気なお嬢さんでした(大きさから言って、おそらくメスだと思います)。

オオカマキリの成虫
2008年9月2日撮影

 胸の色を見たいのでひっくり返したら悩ましいポーズで谷間を見せてくれました。ホントいうと抵抗してもがいてるだけ。

オオカマキリの成虫
2008年9月2日撮影

 前翅をめくりあげてみると、紫がかった不透明な後翅があります。これがオオカマキリの特徴です。チョウセンカマキリは後翅が透明なのです。

オオカマキリの成虫
2008年9月2日撮影

 撮影が終わったのでお帰り願うことにしました。


 
オオカマキリの成虫
2008年9月2日撮影

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