前のページへ
 
 カラスビシャクって、ひらたくいうとタダの雑草だから、田圃や畑に生えてるんなら珍しくもなんともなさそうなんだけど、こういうのが都会に生えてたりすると目をひいちゃうのです。珍獣の家のまわりには田圃も畑もないけど、でっかい公団の敷地内にある庭園っていうか、公園っていうか、そんな場所に生えてます。
 昔は田圃だったとか、公園を作る時に田圃や畑だった場所から土を運んできたとか、そんな理由で町中にもけっこう生えてるみたい。
 
ビルの谷間のカラスビシャク
ビルの谷間のカラスビシャク
1999年7月4日撮影
 
 
カラスビシャクの塊茎その1 土から掘り出した塊茎
 丸いところは根っこじゃなくて茎。ジャガイモも根っこじゃなくて茎なので、あんなふーなものだと思って下さい。
 薬にするのはこの丸いところ。
カラスビシャクの塊茎その2  洗ってみた。これは上の写真と同じものの裏側。塊茎のまわりに根っこが生えてる。
 カラスビシャクにかぎらず、サトイモ科の植物は塊茎(イモ部分)に蓚酸カルシウムを多く含んでいます。八百屋さんで売ってるサトイモもそう。皮をむいた生のサトイモをさわっていると手がチクチクとかゆくなるのはそのせいです。生でかじると口の中がえぐくなって、ひどいときはかぶれることがあります。このえぐみはサトイモなら加熱すれば消えます。イモの状態で長期保存したり、乾燥させたりしても消えるようです。

 先日、TBS で放映中の日本版『サバイバー』で、タロイモを生でかじって悶絶していた出演者がいましたが、これも蓚酸カルシウムの威力です。タロイモは南の国では食用にしてますが、加熱したり水にさらしたりして食べるのが普通だそうです。

 カラスビシャクも生食いすると危険です。薬になるからといって安易に口にしないように。薬にする場合には、

  • 乾燥させる。乾燥したものを三年ほど貯蔵する。
  • 何度も水にさらしてから明礬と一緒に煮てから乾燥させる
  • 発酵させる
  • など、様々な方法があります。とにかくそのまま使うものではないので要注意(ってうちを見て薬にしようなんてやつはいないと思うけど、いちおうね)。

    もっと知りたい?