加茂明神
 
 
 加茂明神のお札は雷よけにきくと大変な評判でした。
 ところが、加茂さまの境内に雷が落ちてきました。
 かみなりは、真っ赤な顔をして、あたまには角があり、からだからけむりを出していました。あたりにはこげたにおいがたちこめています。

 神主さんはあわてて祝詞(のりと)をあげ
「このままでは神さまの御名にもきずがつくというもの。ふとどきな雷めにきついお仕置きをおねがいします」
と、いのりました。

 すると加茂明神みずから姿をあらわして雷をつかまえると、かかとを切り落として追いはらいました。

 それからというもの、加茂明神には雷がおちることはなくなり、雷よけのお札はいっそう評判になったということです。

加茂明神と雷
◆こぼれ話◆

 この話はたしか長野県のお話だったと思うのですが、加茂明神の地元での評判はどうなのでしょうか。長野県方面の方で、加茂明神から雷よけのお札をもらったことのある人はご一報ください。メルマガに返信、または珍獣の館トップページからメールアドレスを探してください。

 地震・雷・火事・親父と言われるほど、昔の人にとっては雷は恐いものでした。そのため、かみなりをやっつけるお話も各地に残っています。東京の三島神社では雷が井戸に落ちてきました。

参考>昔話の舞台を訪ねて・三島神社の雷井戸(東京)

 
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