河童のはじまり
 
 
 むかし、疱瘡というわるい病気がはやってたくさんの人が死にました。人々は病気をおこす神をおいはらうために、草を束ねて人形をつくり、命をふきこみました。

 人形たちは勇敢にたたかって、悪い神をおいはらいました。けれど、人形たちも傷つき、ばたばたと死んでいきました。

 死んだ人形は、川に落ち、河童になりました。河童というのは川にすむ妖怪です。河童に出会った人は「手をひっぱってみたら、かんたんにぬけてしまった」と、よくいいますが、それは、河童が草でつくられた人形だったからです。
 

 
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