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モンゴルの十二支説話
(モンゴルの昔話)

 お釈迦様が十二支に動物をわりあてようとしたとき、十一番目までは簡単に決まりましたが最後の動物が決まりません。鼠とラクダが立候補しましたが、どちらも優秀だったので決着はつきません。

 そこでお釈迦様は、朝日を最初に見た方を十二番目の動物にしようと言いました。

 ラクダは東を向いて夜明けを待ちましたが、鼠はラクダの背中に乗って西を向いて待ちました。

 朝日が昇ってくると、最初の光が西の山を照らしました。それを見て鼠が「朝日が見えたぞ!」と叫んだので、十二番目の動物は鼠に決まりました。

 ラクダは怒って暴れましたが鼠は灰の山にもぐりこんで逃げてしまいました。それからというもの、ラクダは灰の山に近づくと、鼠をぺちゃんこにしてやろうと足を踏みならすようになりました。

 こうして、十二支に入れてもらえなかったラクダですが、実のところ、ラクダの体には十二の動物の良い特徴が含まれています。

1. 耳は鼠のよう
2. 腹は牛のよう
3. 足の裏は虎のよう
4. 鼻はウサギのよう
5. 体全体は龍のよう
6. 目は蛇のよう
7. たてがみが馬のよう
8. その毛は羊のよう
9. 背中に猿のこぶがある
10. 頭の毛は鶏のとさかのよう
11. 太股は犬のよう
12. 尾は猪のよう

 ラクダの良い特性のひとつとして「羊のような毛」とあるのでメモしてみました。日本ではあまり馴染みがないかもしれませんが、ゴビ砂漠に住んでいるフタコブラクダの毛は毛織物の原料としてはカシミアの毛とならぶ高級品とされています。
 
 日本の十二支説話
 

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