山海経校注(中国書籍)
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巴蜀書社(中国書籍)
『山海経校注(増補修訂版)』
袁珂・校注 1993年初版
 A5版 箱なしハードカバー 563頁+索引
32元(1993年現在)

 巴蜀書社というのは四川省の出版社で、この本は中国書籍(繁体字)である。当然のことながら日本語訳はついていない。
 『山海経』の本文と、郭璞(かくはく 324年没)や赫懿行(かくいこう 1823年没)など、昔の人がつけた注も収録されている。

 中国語なんか読めないもんね〜と思うかもしれないが、読めない人にも役に立ちそうな本である。たとえば巻末についている索引なのだが、読みではなく漢字の画数でひけるのだ。
 『山海経』はもともと中国の本なので、出てくる動植物の名前を日本語で音読すると、読み方が何種類かできてしまう。 山海経動物記 異聞録 は平凡社ライブラリーのふりがなに従っているが、別のテキストを持っている人はこの読みでは索引できない場合もあると思う。そんなときに役に立つのが画数引きである。

 また挿し絵が豊富で、 平凡社ライブラリー に収録されているのと同じ絵が多いが、平ラのとは別の挿し絵もかなり収録されている。
 たとえばこれ↓
夸父追日
本文イメージ
 日本の出版物に慣れていると、この本の紙質は2〜30年くらい昔のものに思われるほどなのだが、古文書を読んでいるみたいでかえって味がある。文字が大きめで読みやすく、日本語のテキストと突き合わせながら読むのにちょうどいい。漢文に自信のない人は(珍獣もだが)平ラの『山海経』と併読するといいのではないかと思う。

 なお、珍獣はこの本を 書虫 という中国書籍の通販屋さんで手に入れたのだが、送料こみで2220円だった。中国書籍を扱ってる通販サイトも増えてるので、いくつかあたれば手に入るんじゃないかと思う。

 なお 呉任臣 があらわした『山海経広注』とはタイトルが似ているだけで別の本のようです。『山海経校注』は、『広注』をふくむさまざまな注釈書から注の部分を引用して収録しており、かなり便利な本のようですが、中国語がわからないと苦しいのが玉にキズ。


 
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