鳴蛇   メイダ
鳴蛇
 水中に鳴蛇が多い。そのかたちは蛇のようで四枚の翼、その声は磬のよう。これが現れるとその地方はおおいに旱する。(中山経二の巻・十一の巻)
 
 
 
 
 
 

絵・文とも『山海経』より


 
 翼が四枚なのでこれもトンボかもしれない。しかし、空を飛ぶもので蛇のような生き物をもう少し探してみよう。空を飛ぶものといえば、やはり鳥だろう。残念ながら鳥には四枚翼のものはいないが、まあそれはこっちにおいといて……蛇のように見えるとすれば、たぶん首がひょろながい種類に違いない。
 ツルは首と脚をまっすぐにのばして飛ぶので、蛇身に翼がついているように見える??アフリカ・中央アジア・インドにかけて広く分布するオオフラミンゴなども、長い首を緩やかにのばして飛ぶ。
 考え方をがらりと変えて、サンショウウオやイモリの幼生などはどうだろうか。

サンショウウオの幼生
サンショウウオの幼生
 サンショウウオはカエルより少し原始的な両生類で、カエル同様、子供時代は水中のみで暮らす。そのため、ヒラヒラと立派なエラがついている。大人になると肺と皮膚で呼吸するようになるのでエラは消えてしまう。
フラミンゴ・ツル・トンボの飛翔
 しかし、翼のある蛇の伝説は世界中にあるし、何かモデルがあるというより、人がイメージしやすい化け物の姿だということかもしれない。

前ページへ目次へ次ページへ