卵から生まれる茸シリーズ
和名 キツネノタイマツ
別名
中国名  
科名 腹菌類スッポンタケ目スッポンタケ科
学名 Mutinus bambusinus
原産地  
採集地 東京都葛飾区

キツネノタイマツの卵 1999年9月28日撮影  これまた卵からうまれてくる茸です(あ、横断面の写真とりわすれた)。都立水元公園のポプラ並木のあたりに毎年生えてきます。

 ツマミタケと同じように、卵の中にはゼリー状の部分があって、その中に胞子になる茶色い部分があります。中心のピンクの部分は茎になります。

 毎年同じところに生えてくるので、めぼしい部分を手でさぐると、このような卵がでてきます。これを持ってかえって植木鉢に植えると、ご家庭でお手軽にご鑑賞いただけます(え、見たくない? 変ねえ、おもしろいのにー)。

皮を破って
顔を出す直前!
もうすぐこの皮をやぶって…… 1999年9月29日撮影
すっくと立ち上がる凛々しいタイマツ 1999年9月30日撮影  卵を鉢に植えたら土が乾かないように水をやってください。土は卵のあった場所からとってきましょう。
 卵から出てくると一晩くらいでこんな感じです。茸は生長がはやく、短気な人にもお楽しみいただけます。
 ツマミタケと同じく、穂先の黒っぽい部分に胞子ができるのですが、ネバネバしていて悪臭がします。
 姿は似てますが匂いはそれぞれ違うのが不思議な点です。キツネノタイマツは納豆の臭みに似たようなにおいがします。
 成長も早いけど、萎れるのも早いです。 1日たつとこのとおり。

 今「誰かに似てる」と思った人、大人ですね。わが身のお下劣さを恥じてください。

萎えたタイマツ 1999年10月1日撮影

 
狐一族 仲間はずれの摘み
そそり立つ茸たちの見分け方

A:キツネノタイマツ(スッポンタケ科)
 穂先に黒く粘った小さな傘がある。

B:キツネノエフデ(スッポンタケ科)
 傘はなく、ネバネバは茎に直接ついている。

C:キツネノロウソク(スッポンタケ科)
 キツネノエフデに似ているが、茎と穂先の境目がはっきりしている。

D:ツマミタケ(アカカゴタケ科)
 茎が指先で摘んだように角張っている。茎の断面は4〜5角形。

 この中で、珍獣が見たことあるのはAとDだけです。

 『和漢三才図会』という江戸時代の百科事典に鬼筆という茸が出てきます。「きたない糞のある場所に生え、頭は筆のようで紫色」と書いてあり、どうやらこれがキツネノタイマツ(上図A)のことじゃないかって言われてます。この説明だとA〜Cどの茸にもあてはまりそうです。でも、これらの茸の最大の特徴っていうか、誰でも「おおっ」と注目してしまう卵から出てくるという説明がないのが不思議。

シリーズその3
踊るイカタケ

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