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「わび・さび」を感じるアロエの鉢植え
 
 アロエと呼ばれるものには何種類かあるが、花屋さんで買える観賞用のものはほとんどキダチアロエという種類である。薬用・食用にするアロエベラは、これよりもずっと大きくて葉も厚い。

 アロエは食べれば便秘に効き、葉肉のぬるぬるを虫さされや切り傷などに塗ると良いというので、ある時期ブームになった。そのせいか、どこの家にも一鉢くらい、うらぶれたアロエが放置されている。

 上の写真のアロエは、知人の家で枯れかけたアロエの芽をもらって 2 年ほど前から育てているものである。アロエは先の方だけ切り取って、一週間ばかり放置しておくと、切り口が乾いて根が出てくる。これを土にさしておけば自然に根付く。成功率はかなり高いのでいくらでも増える。

 おもしろがって増やしていたら、上の写真のようになってしまった。きりがないのでそろそろ有効活用してやることにした。つまり、食べるのである。

 
切り取ったアロエ
 
 試しに一本だけ根元から切ってみた。アロエは切り口から透明でぬめっとした液体を情けなくたれ流して「いてーよ、死にそうだよ、なんてことするんだよ」と抗議しているようだったが、そのような泣き落としに耳を貸さず、ばりばりと解体しなければならない。
 
バラバラになったアロエ
 
 茎から葉をひっぺがす。食べるのは葉の部分だ。
 
皮を剥かれたアロエ
 
 皮も食べられるが、皮の部分に苦みがあり、あまり食べやすくはないのでむいてしまう。皮をむくと、半透明で美しい葉肉が出てくる。
 
みみっちぃ葉肉だ…
 
 葉肉の厚さはこのくらい。苦労してむいたわりに食べるところはあまりない。
 
肉より皮のほうが多い…
 
 すっかり皮をむいたところ。食べる部分より皮のほうが多い。
 
刺身コンニャクみたい
 
 刺身コンニャクのようだがアロエの葉肉である。
 
醤油をかけて…
 醤油をかけて刺身として食べる。
 千切りニンジンとともにマヨネーズで和えて食べる。

 食べる部分は少ないが、味は決して悪くない。賽の目に切ってヨーグルトに混ぜてもいいだろうし、みつ豆にいれるなどしてもいいだろう。

マヨネーズで和えて…
 
アロエを切り取ったあと  なお、切り取ったあとにもこのように脇芽が出ている。これが 1 年もすればまた食べられるようになるはずだ。
 
 アロエはどこにでもある。右の写真はご近所の裏庭で花をさかせているアロエだ。このくらい大きくなると、多少は食べでがあるだろう。 ご近所のアロエ
 
アロエの花  少々さかりを過ぎてはいるが、これがアロエの花である。うまく育てればこのような花も咲く。
 
 
アロエベラ
 
アロエベラ
 
 ちなみにこれがアロエベラ(Aloe vera)。食用に売られているシロップ煮のアロエはたぶんこれである。観賞用のキダチアロエなんかよりはるかに大きく肉厚で、どのくらい大きいかというと…
 
でかい!
 
 このくらい大きいわけだ。ピンぼけで申しわけない。大きすぎてどうやって撮っていいかわからなかったのである。

 ちなみにこのアロエは一本 800 円くらいだったと思う。この大きさに対する値段としては妥当なのかもしれないが、アロエばっかりこんなに沢山食べたくないのでいまいち腰が引けてしまう。

 アフリカには、道ばたのアロエとよろしく致してアロエに子供ができてしまうという妖艶というよりは珍妙と言うべき昔話がある。もちろん葉を裂いてぬるりとした半透明の葉肉の部分で処理するというお話なのだが、これだけ大きいとコンニャクといい勝負かもしれない。

 
アロエベラ
 
 2006年11月某日。ついにアロエベラを買ってみた。でかい(クリックすると手との比較写真)。ローカルな話をすると亀有銀座ゆうろーどB街区の伊藤商店というところで買ったもので、残念ながら値段はメモしわすれたけれど、そんなに高くなかった記憶があるので500円くらいじゃないかと(値札を写した写真が出てきた。300円だった)。この店ではわりと頻繁にアロエベラをみかけるので決まって買っていく人がいるのかもしれない。変わった野菜を置いてる店で、しかも安い。JR亀駅南口から徒歩2分くらい。
 
アロエベラ
 
 両側を切り落としてから皮をむく。これだけでかいと魚の三枚おろしでもしているような気分。ちなみに庖丁はナイフサイズの小さなものなので念のため。
 
アロエベラ
 
 皮をむくとこのように透明で美しく、そしてヌラヌラしている。観賞用のひねたアロエの数倍みずみずしく、やわらかい。
 
アロエベラ
 
 こっちは皮。ああ、やっぱりヌラヌラしている……アフリカ人がこれと交わって子供まで作ってしまう理由が分かりすぎるほど分かってしまう(赤面)。ちなみに、アロエにはお通じをよくする作用があるのだが、薬効成分は皮の部分に多いと聞いた。うろおぼえだけど漢方の図鑑で呼んだ記憶があるのでたぶん本当。食用として売る場合は、この緑のところは加えてはならないという話も書いてあった気がする。成分が強いので下痢しちゃうから、ってことだと思う。もちろん自分で買って調理するなら青いところも使ったってかまわない。

 ただ、この緑のところは苦みや青臭さが強いし、食用にするより化粧水にしたほうがいいんじゃないかと思う。

【アロエベラ化粧水の作り方】
1. 精製水(コンタクトレンズ用でよい)にアロエベラの皮を一晩つけておく。
2. 皮を取り除いてから鍋で煮立てて消毒。
3. 好みの濃度になるように精製水を加える。
4. 長期(といっても1ヶ月以内か?)保存したい場合は消毒用アルコールを少量加える。
5. 保湿効果を高めたい場合はグリセリンを少量加える。べたつくので少なめに。
4. 清潔な瓶(これも煮沸消毒しておくべき)に入れて冷蔵庫で冷やす。アルコールを加えない場合は一週間をめどに余ったら捨てること。アルコールを入れる場合でも後生大事にとっておかずにバンバン捨てて新しいのを作るべきです。楽しいから。

 分量は適当でよいと思うがアルコールとグリセリンは少なめに。また消毒用アルコールを使う場合は調合にガラスのコップを使うこと。原液はアルコール度数が高いので樹脂製の容器は溶けるかもしれない(混ぜてしまえば大丈夫)。いきなり顔に使うとアレルギー反応が出たときに痛いので、使う前に二の腕等でパッチテストをしてみることも肝心。化粧水の作り方は何種類もあるし、検索するとあちこちのサイトにあるので参考にするとよいです。

 なお、この方法で様々なハーブの化粧水が作れる。生の葉を使うならみじん切りにして精製水に一晩つけ、葉をこしとってから好みでアルコールとグリセリンを加えれば完成。乾燥した葉ならハーブティーと同じくお湯で抽出すればよい。
 
 

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アロエベラ
 
 さて、食べる話に戻るのだが、刺身にして食べるのなら生でもよさそうだが、食べ方を検索すると下茹でしたほうがいいようなことが書いてあったので茹でてみた。
 
アロエベラ
 
 茹でてから水にとってみたところ。やっぱりヌラヌラである。このヌラヌラしたものをどう調理すれば美味しくなるだろうか? 素直に刺身で食べるべきなんじゃないかと思うのだが……
 
アロエベラ
 
 ネタなので、刺身以外の方法で食べてみた。下ゆでした葉肉を豚挽肉と炒めて麻婆豆腐と同じ味付けにしてみたもの。アロエの葉肉にほとんど味がないので不味くはないのだが、水っぽすぎて味が薄まってしまい、どうにもよろしくないのである。食感もふにゃふにゃしすぎていて微妙だ。おかずにするより甘く煮てヨーグルトやゼリーに入れるなど、デザートに使ったほうが美味しいと思う。
 
アロエベラ
 
 これは皮を少し加えてミキサーにかけて越したもの。蜂蜜で甘みをつけてある。美味しそうに写らなかったけれど、これが一番美味しかった。お通じのほうもそれなりに効き目があったと思う。この時病気治療中で腸の動きが極端に悪くなっていた時なので、普通の人が試すと本当に下痢をするかもしれないので注意が必要。あくまで自己責任でどうぞ。
 
 
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