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古典の中のシオカラトンボ
~日本や中国の古典に出てくる虫の記録
『本草綱目啓蒙』より蜻蛉
 からだが黒く、白い粉のふいたのをシホカラトンボという。シホ(備前)、シホカイ(加州)ともいう。また予州ではからだに灰色と黒の横斑があるものをシホカラトンボという。
 からだに黄色と黒の横斑があるものをコムギトンボという。ムギハラトンボともいう(予州)。
 
写真 和名 シオカラトンボ(♂) 
科名 トンボ科
学名 Orthetrum albistylum
中名 白尾灰蜻

撮影日 2003/08/22
撮影地 東京都江戸川区

特徴
・腹が青白い
・翅の付け根が透明
・シッポの先が白い 

他の写真と読み物
写真 和名 シオカラトンボ(♀) 
別名 ムギワラトンボ
科名 トンボ科
学名 Orthetrum albistylum
中名 白尾灰蜻

撮影日 2003/08/22
撮影地 東京都江戸川区

他の写真と読み物
 シオカラトンボとムギワラトンボは同じ虫の雄雌のちがいです。若いオスはメスと同じく黄色っぽい姿をしているそうですが、老熟すると上の写真のように白っぽい粉をふきます。メスのほうはいつまでも黄色いままで、パッと見ると別の種類に見えます。

 『本草綱目啓蒙』にある「からだは黒く白い粉をふく(シホカラトンボ)」「からだに黄色と黒の横斑がある(ムギハラトンボ)」というのは、まさに本種の特徴を説明したものです。『…啓蒙』では雌雄の関係を明確にしていませんが、シオカラ・ムギワラの順に並べて説明しているところを見ると仲間であることは知られていたのではないかと思います。トンボは交尾の時にはオスとメスが繋がって飛びまわりますから、同じもののオスとメスだということにも気づいていたかも知れません。

 
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